10・27
8:00発のユーロスターに乗るためには7:00までにセント・パンクラス駅に行かなくてはと思うと早朝から目覚めてしまう。
窓を開けると今日は珍しく暖かくて、中庭からの涼しい風が心地よい。
ユーロスターに乗り込む前に出国手続きをするのだが、ひどい混雑でホームに出るまでが時間がかかる。乗り込んでしまうと、たったの2時間でブリュッ
セル着。
ひとまずホテルに荷物を置こうと歩き出す。駅近くのホテルを予約したと言いながら先に歩く姪のあとを付いていく。坂道 ばかりの街で上がったり下がったり、肩にリュックがくい込んで背骨が痛くなる。スマホを片手に首をかしげながら長身の姪
はぽくぽく歩いていくのだが、私は青息吐息で必死に歩く。行ったり来たりしてやっと見つけたホテルは短期ステイのアパー トメントだった。
重い扉が閉じられていて小さなブザーを押すとしばらくして扉が開く。薄暗い廊下の先に事務所があり、予約を確かめて支 払いをユーロでという。カードは使えない。ATMを探して回りキャッシングして、小銭を作るため菓子を買って、やっと部屋に荷物を下ろした。中2階のある広い部屋でキッチン付き。買った菓子を食べてみると美味しい。ベルギーはチョコやワッフルで有名なのでさすがの味だ。元気を取り戻す。
とりあえず今日はブルージュに行くことにした。電車で1時間でブルージュ着。
バスでマルクト広場に行く。ひときわ高くそびえる鐘楼。ギルドハウスや州庁舎など歴史的建物に囲まれた石畳の広場は大 勢の観光客であふれている。
黄色い小型の観光バスに乗って50分、日本語ガイドのイヤホーンから流れる案内を聞きながら観光を楽しむ。
運転手は制服 姿も凛々しい中年女性。各国の客相手に料金を集めたりクーポンを確認したり、てきぱきと目に心地よい。
観光客のひしめく広場を抜けるだけでも大変なのに、路駐の車が並んでいてますます狭い道を上手に運転していく。要所要所では停車してバスにあるビデオと指差しとガイドの音声でポイントをしっかり教えてくれる。
秋の柔らかな日差しを受けてきらきら光る運河のさざ波、それを受けて輝く紅葉した木々の葉、運河に架かる橋の上を渡っ ていく馬車、カフェから聞こえてくる客たちの談笑。とにかく美しい。疲れがだんだん溶けて顔がほころんでくる。あっとい
う間の50分だった。こんな観光バスの運転手の仕事が出来たらいいねと姪と話した。
焼きたてのワッフルが最高に美味しい。チョコレートの店が軒を連ねていて町全体が甘い空気であふれている。
暗くなってきたので駅までバスに乗る。薄い三日月が鐘楼の上に浮かび紅葉した木の枝が揺れて絵のような美しさ。
電車の向かい側に座った中国人だと思っていた女性が日本人だと判って話が弾んだ。転職前の休暇を利用して2週間パリで 語学学校に行ってその後ベルギーを旅行して明日日本に帰るという。姪の欲しがっていた変圧器を貸してくれることになる。
ホテルが近いので本当に良かった。彼女についてメトロで行くとあまり歩かないで行けることが分かった。坂の街ブリュッセ ルはメトロやトラムが発達している。
シャワーを浴びてベルギービールとサラダで疲れをいやした。
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中世のまま時が止まったブルージュのマルクト広場
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ブリュッセルのグラン・プラスは華麗な建物がぐるりと取り囲んでいる。
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グラン・プラスの市庁舎。
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宿を探して歩き回ったブリュッセルの通り。アップダウンが厳しい。
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クリスマスショップ
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チョコレートショップ
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繊細なベルギーレース |
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ブルージュ旧市街の運河に浮かぶ観光ボート。
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観光馬車も多い。 |
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夕空に優雅に浮かぶ鐘楼。 |
灯がともりいよいよ美しいブルージュの町並み。去りがたい風情。
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